キャンプで調理をしていると、油を吸わせる、食器の水気を取る、こぼしたソースを拭く、まな板やナイフを一時的に拭くなど、キッチンペーパーを使う場面が想像以上に多くあります。
ところが、ロールのままテーブルに置くと転がりやすく、風でほどけたり、濡れた地面に落ちたり、調理道具の隙間に埋もれて必要なときにすぐ使えなかったりするため、小さな不便が積み重なります。
キャンプ用キッチンペーパーホルダーは市販品も便利ですが、自作すれば使うロールのサイズ、吊り下げたい場所、収納袋の大きさ、サイトの雰囲気に合わせて調整できるため、見た目と実用性を両立しやすくなります。
ここでは、木材、丸棒、パラコード、100均アイテムなどで作る考え方を軸に、初心者でも失敗しにくい設計、材料選び、作り方、キャンプで使いやすくする工夫まで整理します。
キャンプ用キッチンペーパーホルダーは自作できる

結論から言うと、キャンプ用キッチンペーパーホルダーは特別な木工技術がなくても自作できます。
大切なのは、おしゃれな形から考えるのではなく、キッチンペーパーをどこに置き、どの向きで引き出し、どのように持ち運ぶかを先に決めることです。
市販の吊り下げ型や木枠型の作例を見ても、基本構造はロールの芯に棒を通して両端を支えるだけなので、寸法と固定方法を間違えなければ、100均材料や端材でも十分に実用的なホルダーを作れます。
吊り下げ型が基本
キャンプで最も使いやすい形は、タープポール、ランタンスタンド、キッチンラック、テーブル横のフックに掛けられる吊り下げ型です。
テーブルの上にキッチンペーパーを置かずに済むため、バーナー、シェラカップ、調味料、まな板などで狭くなりがちな調理スペースを広く使えます。
作り方は、丸棒や木製ダボをロールの芯に通し、両端にパラコードやチェーンを付けて吊るすだけでも成立するため、初めての自作でも取りかかりやすい構造です。
ただし、吊り下げ位置が高すぎると片手で引き出しにくく、低すぎると膝やギアに当たりやすいため、実際に使うキャンプテーブルの高さを想定してコードの長さを決めることが重要です。
置き型は安定感
置き型は、卓上で使う時間が長いファミリーキャンプや、風の影響を受けやすい河川敷や高原サイトで安心感があります。
土台に重さを持たせられるため、キッチンペーパーを引いたときに本体が大きく揺れにくく、子どもがいる場面でも扱いやすいのが利点です。
自作する場合は、木板の中央に丸棒を立てる縦型、左右の板で丸棒を支える横型、木箱やスパイスラックと一体化する収納型などが候補になります。
一方で、置き型はテーブル上の面積を使うため、ソロキャンプやミニテーブル中心の装備では邪魔になりやすく、収納時も厚みが出やすい点を考えておく必要があります。
100均材料でも十分
キャンプ用のキッチンペーパーホルダーは、必ずしも高価な木材や専用金具を使わなくても、100均の丸棒、カラビナ、S字フック、結束バンド、手ぬぐい、プラスチックケースなどで作れます。
特に試作品として作る段階では、安い材料で寸法や吊り下げ位置を確かめてから、気に入った形を木材や帆布などで作り直す方が失敗が少なくなります。
- 丸棒
- パラコード
- S字フック
- カラビナ
- 結束バンド
- 端材
- 布カバー
100均材料は軽くて加工しやすい反面、強度、耐熱性、耐水性にばらつきがあるため、火元近くに吊るさないことと、重いビッグロールを無理に支えないことを前提に使うと安心です。
ロール幅を先に測る
自作で失敗しやすい原因は、見た目のデザインよりも、キッチンペーパーの幅と直径を測らずに作ってしまうことです。
一般的なロールは家庭用ホルダーに収まりやすいサイズですが、海外系や大容量タイプは幅や直径が大きく、布製ケースや小さな木枠では入っても回らないことがあります。
| 測る場所 | 見る理由 |
|---|---|
| ロール幅 | 棒の長さを決める |
| ロール直径 | カバーや枠の余白を決める |
| 芯の内径 | 丸棒の太さを決める |
| 収納袋の幅 | 持ち運びやすさを決める |
とくにキャンプで使うロールを毎回同じ商品にする予定がない場合は、少し大きめの寸法で作っておくと、買い替えたときに入らないという失敗を避けやすくなります。
片手で切れる工夫
キャンプ中は片手にトングやフライパンを持っていることが多いため、キッチンペーパーは片手で引き出して切れる状態に近づけるほど便利です。
単にロールをぶら下げるだけだと、引いた分だけくるくる回り続けたり、本体ごと揺れたりして、必要以上にペーパーが出てしまうことがあります。
対策としては、棒に少しだけ摩擦を持たせる、ロールの外側を軽く押さえるゴムコードを付ける、引き出す方向を斜め下に固定するなどの方法があります。
ただし、押さえを強くしすぎると今度は紙が破れやすくなるため、最初から完璧に作り込むより、家で何度か引き出してから摩擦の強さを調整する方が実用的です。
汚れを避ける位置
キッチンペーパーは清潔に使いたい道具なので、便利な場所に置くことと、油はね、灰、土、雨粒から離すことを同時に考える必要があります。
バーナーの近くにあれば調理中にすぐ使えますが、フライパンの油はねや熱風を受けやすく、焚き火の近くでは火の粉や煙のにおいが付く可能性があります。
おすすめは、調理台の利き手側で、火元から少し離れ、かつ食材置き場やゴミ袋に触れない高さに吊るす位置です。
自作ホルダーならコードの長さやフック位置を調整しやすいため、自分のレイアウトで最も手が届きやすく、汚れにくい場所を基準に設計すると満足度が上がります。
火元から離す
キッチンペーパーは燃えやすい消耗品なので、キャンプ用ホルダーを自作するときは火元との距離を必ず優先して考えます。
バーナーの横に吊るすと便利に見えますが、風でペーパーが揺れたり、引き出した端が垂れたりすると、炎や熱い五徳に近づく危険があります。
安全に使うなら、シングルバーナーや焚き火台の真上、斜め上、風下側を避け、手を伸ばせば届くが火の熱を受けない位置にするのが基本です。
見た目を優先してランタンスタンドに吊るす場合も、ランタン、ガストーチ、火ばさみなど熱を持つ道具と接触しないよう、吊り下げる高さと向きを事前に決めておきましょう。
収納まで考える
キャンプ道具として使うなら、現地で便利なだけでなく、車載や撤収で邪魔にならない形にすることが大切です。
木枠を大きく作ると雰囲気は良くなりますが、収納ボックスに入らなかったり、他のギアに引っかかったりすると、次第に持ち出す回数が減ります。
丸棒を取り外せる構造、コードを巻き付けられる構造、カバーをロールごと収納袋として使える構造にすると、設営と撤収の手間を減らせます。
自作の魅力は、使う収納コンテナや調理道具セットに合わせて寸法を決められる点にあるため、完成形だけでなく持ち運んでいる状態も想像して作ると失敗しにくくなります。
材料選びで使い勝手が変わる

キャンプ用キッチンペーパーホルダーを自作するときは、材料の見た目だけでなく、軽さ、強度、濡れへの強さ、加工しやすさを合わせて選ぶ必要があります。
木材は雰囲気が出やすく、パラコードは軽くて吊り下げやすく、金具は着脱のしやすさを高めるため、それぞれの得意な役割を分けると作りやすくなります。
最初から完成度の高いものを目指すより、扱いやすい材料で小さく作り、実際のキャンプで気になった部分だけ強化していく考え方が現実的です。
木材は加工しやすい
木材は、キャンプサイトになじみやすい見た目と、のこぎりや紙やすりで調整しやすい加工性が魅力です。
丸棒を芯に通すだけのシンプルな形でも、両端に木製のストッパーを付けるだけで、手作り感のある落ち着いた雰囲気になります。
木枠型にする場合は、細い角材を四角く組み、短辺の中央に穴を開けて丸棒を通すと、ロールが横に逃げにくい安定した構造になります。
ただし、木材は水分を吸いやすく、濡れたまま収納すると反りやカビの原因になるため、屋外で使うなら角を丸め、オイルやニスで軽く保護し、使用後は乾かしてからしまうことが大切です。
パラコードは吊り下げ向き
パラコードは、軽くて結びやすく、カラビナとの相性が良いため、吊り下げ型の自作ホルダーに向いています。
ロープの長さを変えればテーブル横、ランタンスタンド、タープポールなどに合わせやすく、現地のレイアウト変更にも対応できます。
- 軽量に作れる
- 結び直しやすい
- 色を選べる
- カラビナと相性が良い
- 撤収時に巻きやすい
注意点は、細いコードだけで支えると本体が回転しやすいことなので、左右の長さをそろえ、中央で吊るすよりも二点で支える形にすると、引き出すときの揺れを抑えやすくなります。
金具は強度で選ぶ
カラビナ、S字フック、アイボルト、ヒートン、チェーンなどの金具は、ホルダーをどこに掛けるかを決める重要な部品です。
見た目が似ていても、屋外で揺れたときの外れにくさや、濡れたときのサビやすさが違うため、安さだけでなく用途に合う形を選ぶ必要があります。
| 部品 | 向いている使い方 |
|---|---|
| カラビナ | 着脱を頻繁にする |
| S字フック | 短時間だけ掛ける |
| ヒートン | 木材に固定する |
| チェーン | 見た目を重くする |
| 結束バンド | 仮止めで試す |
軽いキッチンペーパーでも、引っ張る力や風の揺れが加わると金具に負担がかかるため、屋外で使う本番用は外れ止めがあるカラビナや、木材にしっかり固定できる金具を選ぶと安心です。
作り方は設置場所から逆算する

自作ホルダーの作り方は、材料をそろえてから考えるより、キャンプでどこに設置したいかを先に決める方がスムーズです。
ランタンスタンドに掛けるのか、テーブル横に吊るすのか、キッチンラックに組み込むのかで、必要な長さ、固定方法、揺れ対策が変わります。
実際の作例でも、丸棒と木枠を使う方法、布カバーを使う方法、100均パーツを組み合わせる方法などがありますが、どれも使う場所に合わせて寸法を決める点は共通しています。
棒だけで作る
最も簡単なのは、キッチンペーパーの芯に丸棒を通し、両端にコードやフックを付けて吊るす方法です。
必要な作業は、ロール幅より少し長い棒を用意し、両端に穴を開けるか、ヒートンを取り付けて、左右に同じ長さのコードを結ぶだけです。
棒の長さは、ロール幅ぴったりにすると交換時に扱いにくいため、左右に少し余裕を持たせ、コードやストッパーが紙に干渉しないようにします。
簡単な構造ほど揺れやすいので、片手で切りたい場合は、棒の表面に布テープを少し巻く、端に軽いストッパーを付けるなど、回転しすぎない工夫を追加すると使いやすくなります。
カバーを付ける
雨や灰、ほこりが気になる人は、丸棒だけでなくカバー付きの自作ホルダーにすると清潔感を保ちやすくなります。
布、帆布、薄いプラスチックシート、クリアファイルのような素材を使えば、ペーパー全体を覆いながら下側や横側から引き出す形にできます。
| 素材 | 特徴 |
|---|---|
| 布 | 軽くて雰囲気が出る |
| 帆布 | 丈夫でキャンプ向き |
| クリア素材 | 残量が見やすい |
| 薄板 | 形を保ちやすい |
カバーを付ける場合は、密閉しすぎると濡れた手で触った湿気がこもるため、底や側面に少し余裕を残し、撤収後に乾かせる構造にしておくことが大切です。
穴あけを減らす
電動ドリルがない人や木工に慣れていない人は、穴あけを前提にしない作り方を選ぶと始めやすくなります。
たとえば、突っ張り棒、既製のタオルハンガー、ワイヤーネット、結束バンド、S字フックを組み合わせれば、木材に穴を開けなくてもホルダーの形を作れます。
- 突っ張り棒を使う
- 結束バンドで固定する
- ワイヤーネットに掛ける
- 既製フックを流用する
- 収納ケースに棒を渡す
ただし、穴あけを減らすほど仮固定に近くなりやすいため、家で何度も引き出して外れないかを確認し、現地では重いロールを使わないなど無理のない運用を心がけましょう。
キャンプで使いやすくする工夫

自作したキッチンペーパーホルダーは、完成しただけではなく、実際のキャンプで使ってみてから細かく調整すると完成度が上がります。
屋外では風、湿気、暗さ、手袋、限られたテーブルスペースなど、自宅のキッチンにはない条件が重なります。
そのため、風対策、濡れ対策、撤収のしやすさを最初から少しだけ組み込んでおくと、見た目だけのDIYではなく、何度も持ち出したくなる実用品になります。
風対策を入れる
キャンプ場では、わずかな風でもキッチンペーパーがほどけたり、吊り下げた本体が揺れて調理道具に当たったりします。
風対策は大掛かりである必要はなく、紙の端を軽く押さえる、ロールの回転を少し重くする、吊り下げ点を二点にするだけでも扱いやすさが変わります。
- ゴムコードで押さえる
- 棒に摩擦を足す
- 二点吊りにする
- 低めに設置する
- 風上を避ける
強く押さえすぎると紙が破れやすくなるため、風で勝手にほどけない程度にとどめ、引いたときには自然に回るバランスを探るのが実用的です。
濡れ対策を足す
キッチンペーパーは濡れると破れやすくなり、ロールの外側だけでなく内側まで湿気ると、次のキャンプまで使いにくくなります。
雨の日だけでなく、朝露、濡れた手、洗い場から戻った食器、クーラーボックスの結露なども濡れの原因になるため、設置場所とカバーの両方で対策します。
| 場面 | 対策 |
|---|---|
| 小雨 | タープ下に吊るす |
| 朝露 | 夜は袋に入れる |
| 濡れた手 | 引き出し口を広げる |
| 洗い場付近 | 水はねから離す |
防水性を高めようとして完全に覆うと乾きにくくなるため、使っている間は守り、撤収後は開いて乾かせるようにするのが、キャンプ用として長く使うコツです。
片付けやすくする
キャンプ道具は、使うときだけでなく片付けるときの手間が少ないほど、次回も持って行きたくなります。
ホルダーを自作する段階で、丸棒が外れる、コードを巻ける、カラビナを本体に留められる、ロールを入れたまま袋に収まるといった工夫を入れると撤収が楽になります。
特に雨の日の撤収では、細かい部品が多いと失くしやすく、濡れた木材や布を他のギアと一緒にしまうと汚れが移ることもあります。
完成後は、収納ボックスに入れた状態、車に積んだ状態、自宅で保管する状態まで確認し、角が当たる部分やコードが絡む部分を調整しておくと使い続けやすくなります。
失敗しやすい点を先に避ける

キャンプ用キッチンペーパーホルダーの自作は難しくありませんが、使ってみると、サイズが合わない、切りにくい、揺れる、濡れる、収納しにくいなどの不満が出やすい道具でもあります。
これらの失敗は、作業の腕前よりも、作る前の確認不足で起こることが多いです。
よくあるつまずきを先に知っておけば、材料を買い直したり、完成後に大きく作り替えたりする手間を減らせます。
サイズが合わない
サイズの失敗は、ロールが入らない場合だけでなく、入るのに回らない、回るのに交換しにくい、収納袋に収まらないという形でも起こります。
とくにカバー付きや木枠型では、ロールの直径に対して余白が少ないと、引き出すたびに紙がこすれて破れやすくなります。
作る前には、使う予定のキッチンペーパーを実際に測り、幅、直径、芯の内径、未使用時と使いかけ時の差を確認しておくと安心です。
大きめに作ると見た目が少しゆるくなる一方で、別のロールにも対応しやすくなるため、見栄えを優先する人以外は余白を残す設計の方がキャンプでは扱いやすいです。
切りにくい
自作ホルダーで多い不満は、キッチンペーパーを引いたときに本体が揺れ、ミシン目できれいに切れないことです。
原因は、ロールが軽く回りすぎる、本体の固定が弱い、引き出す方向が安定しない、ペーパーの端を押さえる部分がないなどに分けられます。
| 症状 | 見直す場所 |
|---|---|
| 長く出すぎる | 棒の摩擦 |
| 本体が揺れる | 吊り下げ点 |
| 紙が破れる | 押さえの強さ |
| 片手で無理 | 設置高さ |
切りやすさは完成写真では判断しにくい部分なので、家のキッチンやベランダで実際に片手で何度か引き出し、ミシン目で切れるかを確認してからキャンプに持ち出しましょう。
見た目だけで選ばない
キャンプギアとしての雰囲気を重視すると、木材、革、真鍮色の金具などを使いたくなりますが、見た目だけで選ぶと使いにくさが残ることがあります。
たとえば、厚い木材で作ると重くなり、革ひもは濡れると乾きにくく、装飾の多い金具は撤収時に他の道具へ引っかかりやすくなります。
- 重すぎないか
- 濡れても扱えるか
- 火元から離せるか
- 交換しやすいか
- 収納箱に入るか
おしゃれに作ることは自作の楽しさですが、キャンプでは暗い時間や忙しい調理中にも使うため、まず実用面を満たし、その上で色や素材感を整える順番にすると後悔しにくくなります。
自作ホルダーで調理まわりを整える
キャンプ用キッチンペーパーホルダーは、丸棒、パラコード、フックのような身近な材料でも作れるため、初めてのDIYとして取り組みやすい道具です。
成功のポイントは、最初にロールの幅と直径を測り、吊り下げ型にするのか置き型にするのかを決め、火元や水気から離れた場所で片手でも使いやすい位置を想定して設計することです。
100均材料で試してから木材や帆布で作り直す方法なら、費用を抑えながら自分のキャンプスタイルに合う形を探せます。
見た目だけでなく、風でほどけないこと、濡れにくいこと、交換しやすいこと、収納しやすいことまで考えた自作ホルダーにすると、調理中の小さなストレスが減り、キャンプのキッチンまわりがすっきり整います。


