森林療法と森の癒し体験

森林療法と森の癒し体験
森の演奏会とお茶会 上原先生のよる森林療法の講座と体験

森の癒し体験

森に入ると、木々のざわめき、川のせせらぎ、風の音を感じてそれだけで気持ちがよく、心身ともにリフレッシュされていきます。五感をより活性化させるために森での癒し体験を試みました。

クリスタルボウルの演奏

森での演奏会を企画してくれた斎藤さんからのメッセージ

クリスタルボウルは99%以上、水晶から出来ています。澄み切った透明感ある音色が魅力で、聴く人の心を癒してくれます。素材の良さから、演奏者の想いが入りやすい楽器でもあります。人のチャクラにも対応した設計の楽器ですので、私達もチャクラの学びをしながらも、今回は想いをテーマに、どの言葉が一番良い音に聴こえるか?を色々と試みました。

その中で一番良かった言葉が「愛しています」でした。「愛しています」のシートを作り、その上で奏でる音は、その文字が情報となって音と共に広がって行くように感じました。しかも手書きの文字の方が音が良いのは、ちょっと驚きましたが、人が心を込めて何かを行う事、書く事、作る事、奏でる事、その大切さを学びながら、同時に日本語の素晴らしさも学びました。日本語の文字が音が良いのでした。この響きが言霊なのでしょうか?

今回、この自然の中で演奏できる恵みに感謝して、すべての存在に「愛しています」を音に乗せて届けたいと思います。

齋藤 勉

昔ながらの自然茶(じねんちゃ)お茶をいただく

“お茶を楽しむ会”を主宰する近藤美知絵先生は、40年間全国を歩き、山に自生する自然茶(じねんちゃ)を求めています。野生のお茶の木は、自然の恵みを十分に吸収していますから、飲むほどに、気持ちが穏やかになります。森でいただくときは、姿勢を正して気を集中し、森の環境と一緒にいただきます。

森林療法の講座と体験

森林療法の第一人者である上原巌先生から、知的障害・精神障害を持つ方の森林療法を中心にお話を伺い、実際に一緒に森へ行き森林療法を体験しました。

障がいのある方と森林療法

森林療法と森の手入れ

現在は人間だけではなく森林も病んでいます。森林療法は子供から高齢者、障害者、社会的な弱者も含めて、地域の森林を回復しながら、自分自身の人間性も回復していきます。森を手入れしながら、作業療法行ったり、カウンセリングをしたり、自分の居場所を作ったりすることで、放置されていた森林がその方にとってかけがいのない森になっていきます。

森林散策だけではなく作業をすることの大切さ

全国の病院・福祉施設での森林療法の例をお話します。
ある病院では、認知症の方が多く入院しいて、作業療法士さんに手を引いてもらって歩行訓練をします。最初はいやがっていたおばあちゃんも、森にコースを作ってから歩くようになり、会話も短時間ですが成り立つようになり、この前歩いたところを歩いてみたいとか、記憶が結びつくようになりました。

知的障害者の入所施設では、重度の障害を持つ方が二人一組で桜の木を植えます。一人は木を抑える係、もう一人は土をかける係、このコンビネーションがうまくいかないと木は倒れてしまいます。お互いの会話がないのですが、気遣いながら、木がちゃんと立つようにします。散策だけより作業をやった方が圧倒的な効果がありました。たとえ、一本でも木を運んだというのが、「俺だって運べた」という自己肯定感を高めます。

森林療法で改善される症状

30代の男性ですが、ティッシュペーパーや石鹸をかじってしまう異食行動がありました。森林療法を始めると、そういった行動がゼロにはなりませんが、とても少なくなりました。週に4日も山に出かけて作業をしていれば、疲れているせいではないかとも言われましたが、それだけではなく、配膳を手伝ったり、洗濯物をたたんだりと、施設内での行動に変化が出ました。

いつも耳をふさいでいる自閉症の子がいました。集団行動が苦手で、作業から離れて、一人で過ごすことが多く、1年目は散策のときも耳をふさいで一人遅れて歩いていました。2年目の6月頃から、話せない子なのですが、丸太をみんなが運んでいると、脇を上げてここにはさんでくれという動作をするようになりました。そのうち、耳から手を離すようになり、木を自分で持てるようになりました。

森は無言で受け止めてくれる

親からの虐待うけたPTSDの子どもたちがいる病院では、薬も効かない子どもたちに、最後の手段ということで、週に3回医師がついて、森林散策を中心に森林療法を行いました。森へ行くにつれて、子どもたちのストレスに反応する物質がどんどん少なくなり、攻撃性とか社会性とかがだんだんといい数値になっていきました。

「森が子どもたちの傷ついた心を受け止めてくれる環境でとてもよかった。」と医師たちが言いました。森が無言であることが一番よかったのです。何も言わないのが、子どもたちにとって一番よかったのです。もし、毎回、ああしなさいとかこうしなさいとか、お説教のようなことを言われていたら、子どもたちは一回でいやになってしまったと思います。

森をまるごと感じたい

視覚障害の方と森を歩きました。砂利道があったり、障害物があったりするので「バリアフリーとか、ユニバーサルデザインとかじゃないとダメですね」と言うと、「それは健常者の方が感じることです。もちろん、そういったことが大切なところもありますが、私たちは森と言えば、泥んこになったり、転んだりすることを、十分覚悟して来ています。すべすべしたところではなく、森をまるごと体験したい。」と言われました。

クマの爪痕を触ったり、草に座ったり、鹿の糞の匂いを嗅いだり、風の音を聞いたりします。ヤブを歩くとき、危ないなあと思って、笹をはらったりするんですが「全部そうやられてしまうと、私たちは森は何にもないところだと思ってしまいます。ここに枝があります、これがサルトリイバラですと、手を添えてもらいたいのです。風景の説明もはぶかず、色やかたちも言ってください。」大切なことを教えていただいています。

森が健康になれば人間も健康になる

森林療法は、人が手入れしていなかった森林などを使って、病院や福祉施設の方、地域の方と一緒に行う社会福祉活動であり、地域コミュニティづくりです。「こんなところに人が来るのかな」地域の方がいぶかしがるところこそ、みんながまた戻って来たくなるのです。「あそこどうなったんだろう。木を切ったところはどうなっているのだろう」と、自分が手を加えたところに対しては、そういう気持ちが大きいので、また戻ってきたくなるのです。

木を切ると空間ができるので、そこに寝そべって見上げると、樹冠が広がって空がみえます。これをドイツの営林署の方が“緑の目”と名付けたんです。風が吹くとそれが大きくなったり、小さくなったりする。しばらく眺めていると眠くなります。脳波測定をしたら、10分でα波が高まってリラックスして、それで眠くなるそうです。不眠症の方にもいいんです。木を切れば、森に光が入り、日当たりもよくなり植物も育ちます。

「森林が健康になれば、人間も健康になる」はずです。美しく手入れされた森林は健康を高めると思っています。

上原巌氏プロフィール

1964年長野県生まれ。東京農業大学農学部林学科卒業。ミシガン州立大学農学部林学科留学。信州大学大学院修士課程、岐阜大学大学院博士課程修了。農学博士。日本カウンセリング学会認定カウンセラー。日本森林保健学会理事長。「みんなの森」代表世話人。長野県高校教員、社会福祉施設職員などを経て、現在、東京農業大学森林総合科学科教授。主な著書:「森林療法序説」「実践 森林療法最前線」「ジョン・レノンが愛した森 夏目漱石が癒された森」「元気になる 日本の森を歩こう」「回復の森」他多数。

「森」と「福祉施設」がつながる時間

荒川区の施設で利用者さんに向けたワークショップ

バリアフリーな森の構想

車イスの方も楽しめる森林への整備

森林療法と森の癒し体験

森の演奏会とお茶会 上原先生のよる森林療法の講座と体験

「森」と「福祉」が出会う場所を訪ねる

NPO法人FLAGS代表理事の松田光二さん、埼玉福興株式会社代表の新井利昌さんのお話を伺いました。

森が福祉にできることvol.2

1年間の活動を冊子にまとめました。